「NISAってよく聞くけど、結局どんな制度なの?」
「投資をしたことがないけど、NISAを始めたほうがいい?」
「つみたて投資枠と成長投資枠って何が違うの?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
NISA(ニーサ)は、投資によって得られた利益が非課税になる、日本の税制優遇制度です。
通常、株式や投資信託などで利益が出ると、その利益には約20%の税金がかかります。一方、NISA口座で購入した金融商品から得られる売却益や配当・分配金は、一定の範囲内で非課税になります。
この記事では、NISAの仕組みからメリット・デメリット、2つの投資枠の違い、始め方まで、投資初心者にもわかりやすく解説します。
NISAとは?
NISAとは、「少額投資非課税制度」のことです。
2014年に始まった制度で、2024年1月から現在の新しいNISAがスタートしました。
NISA最大の特徴は、
投資で得た利益が非課税になる
ということです。
例えば、投資信託を100万円で購入し、150万円に値上がりしたとします。
この場合、利益は50万円です。
通常の課税口座であれば、この利益に対して税金がかかります。
一方、NISA口座で購入した商品であれば、NISAの非課税枠内である限り、この利益に税金はかかりません。
つまりNISAは、
「投資で増えたお金を、できるだけ税金を取られずに受け取るための制度」
と考えるとわかりやすいでしょう。
NISAではどれくらい税金がお得になる?
NISAのメリットを具体的に見てみましょう。
例えば、投資によって100万円の利益が出たとします。
通常の課税口座では、利益に対して約20%の税金がかかるため、単純計算すると約20万円が税金として差し引かれます。
一方、NISA口座なら、非課税枠の範囲内で得た利益には税金がかかりません。
つまり、
通常の口座:約80万円
NISA:約100万円
という違いになります。
利益が大きくなればなるほど、この差も大きくなります。
そのため、長期間にわたって資産形成をする人にとって、NISAは非常に重要な制度です。
NISAには2つの投資枠がある
現在のNISAには、
- つみたて投資枠
- 成長投資枠
の2つがあります。
この2つは併用することができます。
それぞれ見ていきましょう。
① つみたて投資枠
つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託を対象とした投資枠です。
年間の投資上限額は、
120万円
です。
例えば、
- 毎月1万円
- 毎月3万円
- 毎月5万円
- 毎月10万円
など、自分のペースで積立投資をすることができます。
投資初心者がNISAを始める場合、この「つみたて投資枠」から検討する人も多いでしょう。
② 成長投資枠
成長投資枠は、つみたて投資枠よりも幅広い金融商品に投資できる枠です。
年間の投資上限額は、
240万円
です。
対象には、上場株式やETF、REIT、一定の投資信託などがあります。
そのため、
「個別株に投資したい」
「配当金を狙いたい」
「ETFを購入したい」
といった場合には、成長投資枠が選択肢になります。
ただし、成長投資枠で投資できる商品には一定の条件があります。
つみたて投資枠と成長投資枠の違い
簡単にまとめると、以下のようになります。
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 主な対象 | 一定の投資信託 | 上場株式・ETF・REIT・投資信託など |
| 特徴 | 長期・積立・分散向け | より幅広い商品に投資可能 |
| 併用 | 可能 | 可能 |
2つを合わせると、年間最大360万円まで投資できます。
NISAの非課税保有限度額は1,800万円
NISAには、生涯を通じた非課税保有限度額があります。
現在の上限は、
1,800万円
です。
ただし、成長投資枠については、そのうち1,200万円までという上限があります。
つまり、
NISA全体:1,800万円
うち成長投資枠:1,200万円まで
という仕組みです。
例えば、1,800万円すべてをつみたて投資枠だけで利用することも可能です。
一方、成長投資枠だけを使う場合は1,200万円が上限になります。
NISAの非課税期間は「無期限」
現在のNISAでは、非課税保有期間が無期限になっています。
以前のNISAには、
- 一般NISA:5年間
- つみたてNISA:20年間
という非課税期間がありました。
しかし、2024年から始まった新しいNISAでは、非課税期間を気にせず長期保有できるようになりました。
これは長期的な資産形成を考えるうえで大きなメリットです。
NISAは売却したらどうなる?
「NISAで投資した商品を売ったら、使った枠はなくなるの?」
という疑問もあるでしょう。
現在のNISAでは、保有している商品を売却すると、売却した商品の取得金額(簿価)分の非課税保有限度額が、翌年以降に再利用できます。
例えば、
100万円で購入した商品を売却した場合、
「100万円分のNISA枠」が翌年以降に再利用できるようになります。
ただし、売却した時の価格ではなく、基本的に**購入時の金額(簿価)**を基準にする点には注意が必要です。
また、売却したからといって、その年の年間投資枠が追加で増えるわけではありません。
NISAのメリット
ここまでを整理すると、NISAには主に以下のメリットがあります。
メリット① 投資利益が非課税になる
最大のメリットです。
通常なら課税される売却益や配当・分配金が、NISAでは非課税になります。
メリット② 非課税期間が無期限
「5年以内に売らなければいけない」といった期限を気にする必要がありません。
長期投資と相性の良い制度です。
メリット③ つみたて投資と個別株投資の両方に対応できる
つみたて投資枠と成長投資枠を併用できます。
例えば、
つみたて投資枠
→ 投資信託を毎月積立
成長投資枠
→ 個別株やETFを購入
という使い方も可能です。
NISAのデメリット・注意点
NISAにはメリットだけでなく、注意点もあります。
デメリット① 投資なので元本保証ではない
NISAは「税金が優遇される制度」であって、「必ず儲かる制度」ではありません。
株式や投資信託の価格が下落すれば、元本割れする可能性があります。
NISAだから損をしない、というわけではありません。
デメリット② NISA口座では損益通算ができない
NISA口座で発生した損失は、通常の課税口座で発生した利益と相殺する「損益通算」の対象にはなりません。
そのため、
「NISAなら何を買っても得」
というわけではありません。
投資する商品については、リスクや手数料などを確認したうえで選ぶ必要があります。
デメリット③ NISAは1人1口座
NISA口座は、1人につき1口座のみ開設できます。
ただし、金融機関は年単位で変更することができます。
そのため、
「どの証券会社でNISAを始めるか」
は最初に比較しておきたいポイントです。
NISAはどんな人におすすめ?
NISAは特に、
- これから投資を始めたい人
- 長期的に資産形成したい人
- 投資による利益への税金を抑えたい人
- 毎月コツコツ積立投資をしたい人
- 個別株やETFにも投資したい人
などに向いています。
一方で、
「短期間で大きく儲けたい」
という目的だけで利用する制度ではありません。
NISAは、基本的には長期的な資産形成に活用するための制度と考えるとよいでしょう。
NISAを始めるには?
NISAを始めるためには、銀行や証券会社などの金融機関でNISA口座を開設する必要があります。
現在のNISAは、国内に住む18歳以上の人が利用できます。
大まかな流れは、
STEP1
金融機関を選ぶ
↓
STEP2
NISA口座を申し込む
↓
STEP3
口座開設
↓
STEP4
投資する商品を選ぶ
↓
STEP5
購入・積立を開始
という流れです。
特に初心者の場合は、「どの商品を買うか」だけでなく「どの金融機関でNISAを始めるか」も重要です。
NISAを始めるなら証券会社はどう選ぶ?
証券会社を選ぶ際には、
- NISAの取扱商品
- 国内株式の手数料
- 米国株の取引条件
- 投資信託の取扱本数
- クレカ積立
- ポイントサービス
- アプリの使いやすさ
- IPOなどの取扱い
などを比較するとよいでしょう。
「なんとなく有名だから」という理由だけで選ぶのではなく、自分がどんな投資をしたいのかを先に考えることが大切です。
まとめ:NISAは投資初心者こそ知っておきたい制度
NISAを一言で表すなら、
「投資で得た利益を非課税にできる制度」
です。
現在のNISAでは、
- 年間最大360万円まで投資可能
- 非課税保有限度額は1,800万円
- 成長投資枠は1,200万円まで
- 非課税保有期間は無期限
- つみたて投資枠と成長投資枠を併用可能
- 売却した商品の取得金額分は翌年以降に枠を再利用可能
という仕組みになっています。
ただし、NISAは「投資で必ず儲かる制度」ではありません。
大切なのは、NISAという制度そのものを理解したうえで、自分の資産状況や投資目的、リスク許容度に合った商品を選ぶことです。
これから投資を始めるのであれば、まずはNISAの仕組みを理解し、次に「どの証券会社を選ぶか」「何に投資するか」を考えていきましょう。
